ヌイトメル 期間限定ショップ

2014-4-29

本日から、大阪梅田ブリーゼブリーゼ 4F ノルディックガーデン内に、
期間限定でヌイトメルのコーナーを設けていただいています。

 4/29(火・祝)~5/25(日)  期間限定 ヌイトメルのバッグ

 ブリーゼブリーゼ 4Fパブリックスペース ノルディックガーデン内
 営業時間:11:00 ~ 21:00
 アクセス:大阪市北区梅田2-4-9 ブリーゼブリーゼ
        http://www.breeze-breeze.jp/info/

 お問い合わせはこちら → TEL 06-6345-3038 (ノルディック ガーデン)

ちなみに、4/25~5/6 ブリーゼブリーゼ全館「ポイント10倍」だそうです!

期間中の在店予定はございませんが、1日だけワークショップをやります。
ワークショップの日程、内容の詳細は決まり次第お知らせします。

(2014.5.9 追記)

期間中、一日だけ在店します。
在店日は5/24(土)です。
 
 
6/22(日)、同店でワークショップをやります。

ワークショップ「刺繍入りプランターポット」

詳細は5月中にお知らせいたします。
ワークショップの当日は、プランターポットを色々、S字フック、
ヌイトメルの裁縫コモノ(ハサミカバー、メジャー、トレー、ボタンなど)と、
限定ショップの期間中は販売していない、新作バッグも少しお持ちする予定です。

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結ぶトートSをふたつ

2014-6-12

オーダーをいただいて、柿渋染めの結ぶトートの小さいほうを作りました。

刷毛模様の方向(縦と横)で印象が少し違います。
草木染めのバッグはオーダーでも受け付けていますので、気になるかたはご相談ください。

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「にわのわ」に出展して思ったこと

2014-6-4

5/31~6/1 アート&クラフトフェア チバ「にわのわ」へ出展してきました。

思い返せば仕事に行き詰まりを感じて悩んでいたころ、妻に誘われて行ったクラフトフェアとの出会いがきっかけとなり、今があります。
僕は革の仕事をする以前から、身に付けるもの、使うものは、直接作っている本人から買いたいという願望を持っていました。若い僕が民芸品に興味を持ったり、クラフトフェアへ通いつめることはありませんでしたが、朝市や手作り市、何かのイベントなどで機会を見つけては、作り手の人と話して買う、もしくは作ってもらう、ということをしていたように思います。

しかしながら、そういう考えとは裏腹に利益最優先であるメーカーで働き、またデザイナーズブランド最盛期世代から外れているとはいえささやかなブランド志向も捨てきれず、物もお金も浪費する生活に馴れきっていたことも事実でした。
 
 
「豊か」という価値観とは?
幾度も考えていることですが、そのひとつの答えが消費のあり方の中にあると僕は思っています。
職人や作家、所謂その道のプロが自身で作った品物、作品を直接お客様に販売するクラフトフェアは、陶器、木工、金属、ガラス、染織、布、革、竹、などなど、出展のジャンルが素材や手仕事の種類ごとに分けられています。
こういう手仕事の多くは古くから続いているものだから、クラフトフェアで販売される品物は生活にかかわるものが多く、生活必需品といわれるものがある程度網羅されています。
生活必需品は読んで字のごとく「生活に必ず要る品物」だから、身近な場所でも販売されているし、今の時代は家にいても簡単に手に入ります。
そうなると作り手から直接買うという行為は、逆に手間がかかる事かもしれませんが、その手間の中に豊かさのヒントがあるのだと信じています。
手間のかかること(豊かさ)の最たるものは自給自足かもしれません。
自給自足は人の手と、その向こうにある自然の強い力を、より多く感じる機会を与えてくれるからです。
そしてそれと同じくらい、生活の中で人(他者)の力を実感することも、意味があることだと思います。

僕の私生活は物で囲まれています。他の人から見たらただの物だけど、僕の目や脳では感じています。
岡さん達がリフォームしてくれた家に住み、作業場で仕事をし、永田さん達の椅子に座り、
柏原さんのフライパンや渡辺さんの土鍋、うだくん達の木へらで調理した料理を、石黒さん達の陶器や井筒さん達の木の器に盛り、次郎さん達の箸で食べます。家の中はそんな手仕事であふれていますが、こだわりを尽くして揃えているのでなく、知り合った仲間やクラフトフェアへ参加して作り手のみなさんと言葉を交わすうちに自然とそうなってきました。
揃いの家具はなく、食器もバラバラ。
道具としての使い勝手云々よりも先に、それらを目にすると作った人の顔が浮かびます。
手仕事のうたい文句に、ほんの少し日々の生活が豊かになれば・・・みたいなのがありますが、
こういうふうに、ものを通して人を感じること、それが生活に溶け込んでいる今は豊かな生活なのかもしれないと、このごろ思います。
感情の起伏が人一倍激しいと自他共に認める僕が言うのもなんですが、
心穏やかに過ごす秘訣は感謝にあると思います。
物に感謝できる日常があれば、必然的に人にも感謝が生まれてくるものです。

今回なぜこんなことを書いたのかというと、「にわのわ」というイベントが素晴らしくて、触発されてしまったからです。
度々理想のクラフトフェアを頭のなかで妄想するのですが、その妄想を超えていました。
スタッフのかたの取り組みかたや、事務手続き、ロケーションなど、挙げればキリがないほどですが、クラフトイベントという形の集大成的な完成度ではないかと思いました。
また、個人的にも良い出会いやコミュニケーションなどたくさん収穫があり、とても充実した二日間でした。
千葉にゆかりのある作家というのが参加条件ということもあり、参加し続けることは難しいと思いますが、
また参加することができれば嬉しいと思います。
 
 
2日間とも夏日で大変暑い中、遠くまで足をお運びいただき、
またヌイトメルのブースへお立ち寄りくださった皆様、
スタッフの皆様、ありがとうございました。

2日間ともとても忙しく、写真は自分のブースしか撮れませんでした。

最後に、Iさん、暑い中お手伝いありがとうございました。

(クニヨシ)

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白ヌメの鹿革のこと

2013-2-1

今日は今年はじめに触れた、白ヌメの鹿革について、少し詳しく書こうと思います。

 (ヌメ革=植物タンニンなめしの革のこと 詳しくはこちら → なめしとは) 

ヌメ革は、手の脂を吸ってツヤが増す箇所があったり、擦れて傷ができたり、汚れたり、日に焼けていったり、使うほどに変化し使う人の個性が現れる革です。
白ヌメ革は特に、その個性が際立ちます。
オスの鹿には大きな角がありますし、他の動物に比べて革の表面に傷が付いていることが多いものです。
染色すると傷は目立たなくなりますが、無色だとより目立ちます。
ですから、素上げ(※)で使う場合は、革屋さんからできるだけ状態の良いものを選別していただいています。

 ※ 素上げとは?
  製革工程中に塗料やほとんど特別な加工を施さないで、
  革特有の外観を残したまま加工を終えた状態の革をいう。白ヌメとも呼ぶ。

  (参照元:社団法人 日本皮革産業連合会)

鹿の白ヌメ革は、赤ちゃんの肌のようなピンクがかった白っぽい肌色です。
素上げ革は濡れた部分の色が変わり、シミが残ります。
このまま形にするとあまりにも繊細ですから、実用性を考慮し、革に手を加えます。
 
 
鹿革を水で洗って、伸ばしながら広げて干します。
乾いた革に、油分をすりこみ、まんべんなく日光を当てます。
固まってしまった線維を手で揉んで、鹿革本来の柔らかい風合いに戻します。

 

このように段階的に手を加えたナチュラルの鹿革は、驚くほど色の変化を見せてくれます。
そのなかで、一番好みの色の段階でカバンの制作にかかります。
といっても、原皮の個体差やいろいろな条件によってその都度色が若干違いますが、
それも実際に使用するうちに、どんどん色ツヤが変わっていくのです。
 
 
シンプルなものほど、素材の表情が印象を左右します。
なんとなく好きか、そうじゃないか、というその「なんとなく」を、具体的な色と風合いに落とし込む作業。
微妙な質感と雰囲気を大切に、いい感じに仕上げる、
という地味な作業の紹介でした。

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ヌイトメルの素材選び (2014)

2014-4-21

2014年4月現在、ヌイトメルで主に使っている素材を紹介します。

鹿革

ヌイトメルで使う主要な革は、
ニュージーランド産アカシカ(Red deer)の原皮※ が国内(奈良県)でなめされた、国産タンニン鞣(なめ)し革です。

※原皮(げんぴ:革を鞣す前段階の皮のこと。動物の皮膚が腐らないように塩漬けされたもの。)

赤鹿は北米やヨーロッパなどに生息していましたが、ニュージーランドにはハンティングゲーム目的で持ち込まれました。
その後ニュージーランドでは天敵がおらず増えすぎて害獣となっていた赤鹿は、大量駆除の対象となってしまいました。
ヘリコプターで空から駆除という、コストも手間もかかっていた時代もありましたが、
後に輸出品として価値が見直されたそうです。
鹿肉は高蛋白低カロリーなヘルシー食材として主にヨーロッパで人気があり、
現在は捕獲飼育された食用アカシカの副産物として、皮も輸出されています。
ニュージーランドの広大な土地でストレスなく飼育された赤鹿は、
肉質も皮質も良く、高級品として人気が高いそうです。

鞣す:皮を防腐処理して革にすること。
詳しくはこちらから → 

  

動物ですから、一頭一頭で大きさや栄養状態、皮膚の質が違いますし、季節、寒暖差によって皮膚の質や薄さも違います。
もちろん虫刺されや怪我もしますし、
ほかの動物よりもキズが多いのは、ツノがあるため傷つけあうことがあるからです。
輸入される塩漬けにされた皮の保存状態によっても原皮の質が違ってきます。
タンニン鞣しの素上げ、染料染めという技法は原料の質がかなりおおきな割合で仕上がりに影響しますから、
鹿個体の皮膚の質が最も重要といっても過言ではないでしょう。

ヌイトメルでは肉厚の鹿革を中心として、
型によって革の厚さにも適正がありますから、革質を重視しながらさらに数種類の厚さに揃え、
染料で染められものを使っています。
タンニン鞣しと染料染めは、革の自然な風合いがそのまま表れます。
さらにしっとりした風合いにするため、なめしの工程で油分を多めに加えてあります。
鹿革は水分や油分を吸いやすいため、シミになりやすい※ という特徴がありますが、
あらかじめ油分を多くすることでより水に強い、水に濡れてもシミが残りにくい革になります。

※ 油分や水によるシミは、使い込んで革が馴染んでくると全体的に色つやが
変化して次第に目立たなくなってきます。 薄色の革は汚れやシミが目立ち
やすいため、そのシミが重なっていくような経年変化になります。

>> シミができた場合は? → 鹿革のお手入れ

風合いは季節や個体差、ロットで微妙に異なりますが、
できるだけ最良な仕上がりを想定して時期も見極めながら、幾度もタンナーと打ち合わせを重ねています。
常に完璧はあり得ないのですが、そこにヌメ(タンニン鞣し)革の魅力があるのだと思います。

素上げのヌメ鹿革の風合いを一番楽しめるのは、染色されていない”すっぴん”の白ヌメ革です。
白ヌメ革独特の色 : タンニンで鞣す段階でついた、ほのかなベージュ色 : からの、
色ツヤなど径年変化が際立ちます。
白ヌメ鹿革と、白ヌメ鹿革に草木染料で刷毛染めを施した革は、工房内で加工をしています。
定番の染料染めとは一味違ったオリジナルの鹿革です。

 

>> 詳しくはこちら → 白ヌメ鹿革のはなし
→ 草木染めの鹿革のはなし

※ 白ヌメの鹿革は、使用状況によってはたいへん汚れやすくなっております。
薄い色のヌメ革は、汚れを完全に落とすことはできませんが、使用していくうちに経年変化をして、
汚れやシミもなじんでいくものとご理解いただいたうえで、ご使用いただきたく存じます。
汚れが気になるというかたは、濃色のものをお選びいただくことをお勧めいたします。

>> 鹿革については、こちらでも要約して紹介しています。 → 鹿革・ヌイトメルで使用しているもの

牛革

鹿革や布の柔らかさを活かしながら、硬さや張りが必要な部分には牛革を部分的に使います。
タンニン鞣しの牛革は線維が硬く締まっていますので、
ショルダーや持ち手、穴などの補強、底の補強と保形に適しています。
また、牛革は1枚の面が大きいので、紐やショルダーなど長いパーツを取るのにも最適です。

ショルダーや穴の補強など硬さが必要な部分には硬く厚い牛革、
ロープなど柔らかさが必要な部分には揉み加工で柔らかくした薄めの牛革、
しっかりとした厚さに加え、布とのコンビネーションで柔らかさが欲しいものには揉み加工された極厚牛革、というように、

栃木や東京、姫路など、国内のヌメ(タンニン鞣し)革を得意とされているタンナーの牛革を数種類、
用途に応じて使い分けています。

   

>> 牛革については、こちらでも紹介しています。 → 牛革・ヌイトメルで使用しているもの

杞柳布

革だけでは重くなりがちな大きめのバッグは、布とコンビネーションで作ると雰囲気も重量も軽くなります。
但馬ちりめんと杞柳細工の産地、兵庫県豊岡市で作られたオリジナル帆布「杞柳布」。
豊岡特産の杞柳細工に使われる杞柳(コリヤナギ)の皮や出石の蕎麦がらなどの草木で染めた、
ロウシルク×コットンの肉厚ながらやわらかい帆布です。
鹿革との相性が良いその風合いは、糸に撚り込まれた杞柳の皮、繭のカス、糸の節などが素朴感を演出しながらも、
シルクの光沢と草木染めの色合いが上品な雰囲気を醸し出しています。

  

>>詳しくはこちら →  杞柳布のはなし
染色のはなし

草木染めの原料:杞柳のはなし

麻(リネン)

バッグの表布には、リトアニア産のリネンを部分使いしています。
原料の亜麻も自国で栽培されているリトアニアのリネンは厚みも強度もあり、柄や素朴な風合いが独特で、バッグのほど良いアクセントになります。
ほかに、地元(滋賀県)産のリネンも一部使います。

 

  

裏地にはしっかり織目の詰まった国産のリネンを使用しています。
裏地用のリネンには、裏面に薄くコート加工を施しており、強度アップと程よい張り感の効果があります。
「結ぶトートバッグ」にはリトアニアの薄いリネン裏地を使用していますので、ひも部分は布のように結ぶことができます。

>> 詳しくはこちら →  リトアニアリネンのはなし
滋賀の麻のはなし

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素材のことは、こちらからも紹介しています。 → ヌイトメルにまつわるイロイロなものがたり ・・ 「素材のこと

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