巾着バッグのお手入れ
2014-1-22
巾着バッグは、ヌイトメルの定番となっていて、たくさんの方に使っていただいています。
革は使っていくうちに風合いが変化していくもので、その色つやの変化を楽しむのも醍醐味です。
鹿革はほとんどお手入れが必要ないとお伝えしていますし、自分も実際にお手入れらしいこともしていません。
ヌイトメルで使用しているのはタンニンなめし(ヌメ)の鹿革です。
風合いや色、経年変化は個体差がありますので、個々で異なります。
とはいえ、使い込んで汚れてきてしまった場合にメンテナンスをして、
汚れを拭いたり、ロープを新しくしたり、雰囲気を変えてみるのもいいかもしれません。
メンテナンスをすることで、長く使っていただくことができます。
ということで、巾着バッグのお手入れをしましたので、その方法をご紹介します。
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今回はナチュラルとライトブラウンの巾着バッグを洗いました。
ついてしまった汚れは完全には落ちませんが、
鹿革のハギレ裏面で丁寧に拭いてあげることで少しずつ汚れや黒ずみが取れます。
(インク等の汚れは取れません)
あまりに強くゴシゴシこすると革の表面が部分的に剥がれてしまったりキズがついたりしますので、数本の指の腹を使って大きい面でまんべんなくなでる感じです。
ハギレに油分(サラダ油等で代用できます)を少しだけ着けて馴染ませてから拭く
(油分で汚れを浮かせながら拭きとる)方が汚れがよく取れますが、
鹿革は油分を吸いやすいため、使い始めのバッグでやってしまうとその油分でところどころに油シミのようになります。その場合は鞄全体的にまんべんなく油分を入れてあげるのも手ですが、油分が入ると染料も落ちやすくなる場合もありますので色移りをする恐れがあり注意が必要です。
必ず、角の部分や底など目立たない部分で試しながら汚れを拭いてください。
ナチュラルの鹿革には染料を入れていませんし、オイルで仕上げていますから、
色のバッグよりもお手入れに気を使わなくても大丈夫です。
上述のようにして油分を少しずつ足しながら拭いてあげると汚れも少しずつ落ちてくれます。
まず、半年ほど使ったナチュラルの巾着バッグです。
あまり外出しないので、使うのは週1回程度でしょうか。
手の脂などを吸って、全体的にしっとりしています。
色はそれほど濃くなっていませんが、背面や角部分が少し汚れてきています。
これを洗った後はこんな感じ。
ずいぶんきれいになりました。
少し硬くなって油分が抜けた感じがしますので、この後に鹿革用ワックスをまんべんなくスプレーして優しく揉むと、ツヤとふっくら柔らかな風合いが戻ります。
鹿革用ワックス(wax for deerskin)についてはこちら → 鹿革のお手入れ
(※ リンクページの下部で紹介しています)
洗い方の手順を紹介します。
こちらも約半年、使い込んだライトブラウンの巾着です。
バッグを取り扱い頂いているお店「黄魚」オーナーさんに毎日使っていただいているバッグ。
もとのベース色は上のナチュラルとライトブラウンで違いますが、同じ半年でも使う頻度でこんなに色づきが違うものなのです。(経年変化は個体差があります)
いい感じにツヤが出て、かなり使い込んだ雰囲気になっています。
(左画像:鞄前面 右画像:鞄背面/右側は使用前のライトブラウン色見本)
まずは、上で記述したように、少し油分を含ませた鹿革端切れの裏面(柔らかい布で代用可)で優しく黒ずみを拭きとります。
少しずつ丁寧に拭きます。ゴシゴシこするのはNGです。
完全には落ちませんが、黒ずみが少し薄くなります。
次に、洗剤で洗います。
洗剤はタピールのレーダーザイフェ(レザーソープ)を使いました。
タピールはドイツ製のレザーケアグッズ。
タピールのケアグッズは自然な香りで、使い心地が良いです。
→ タピール製品はこちらで紹介されています。
これはロープを付け変えるので、ロープを外してから洗いました。
裏地を引っぱり出して革の部分だけ洗います。
(裏地を洗いたい場合は裏地と別々で洗います。
リネン裏地は布用の石鹸などで部分洗いをお勧めします。)
まず、泡立て用ネット等でソープを泡立ててから、泡でバッグをなでてまんべんなく洗います。
泡立ちにくいので、泡で洗うという感じではありませんが、ゴシゴシこすらないように注意しながら指の腹をやさしく滑らせる感じです。
泡を濡らして絞った柔らかい布でふき取ります。
ぬるま湯で優しくすすぎます。
汚れや染料も若干落ちて水が濁りますので、水を変えながらすすいでください。
十分にすすいだら、軽く押しながら絞って、タオル等で水分を押しながら拭き取り、
形を整えて陰干しをします。
ネットなどに平面で干しても良いですが、吊った方が早く乾きます。
乾いたらこうなりました。
洗う前と比べると、だいぶん汚れが落ちています。
(左画像:鞄前面 右画像:鞄背面)
最後に鹿革用ワックスをまんべんなくスプレーしてから、
革の表面どうしをこすり合わせるようにしてやさしく揉むと、ツヤと柔らかさが戻ります。
ロープは新しいものに取り換えます。
使い込んでしなやかに変化していますが、ロープの交換はお好みに応じて。
この一連のメンテナンスは特に特別なことをしていませんので、
ロープの付け替え以外はご家庭でもお手入れしていただけます。
**ポイント**
1、ゴシゴシこすらない。
2、水で洗った後に革が型崩れしないように形を整えてから干す。
3、硬くなってしまった部分は優しく揉む。(強くこすらないこと)
4、はじめに目立たない部分(底など)で試すこと。
汚れ落としに鹿革の端切れを使いましたが、
フェルトやネルなどの起毛素材や、古いTシャツやカットソーの切れ端など、
柔らかい布でも代用できます。
メンテナンスを終えると、心地よい達成感を味わえます(笑)
頻繁にする必要はありませんが、時々手を加えることで長く使えるのが革製品の良いところです。
以上のメンテナンスは、こちらでもお受けできますので、お気軽にご相談ください。
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【メンテナンス料金】(税別・送料別) 2020年1月より
●洗濯+ワックス仕上げ
巾着バッグS・MS・M 3,000円
巾着バッグLS・L 4,000円
鹿革トートバッグ 4,500円
●ロープ交換
巾着バッグS・MS・M(DKT-S/MS/M) 3,000円
巾着バッグLS・L(DKT-LS/L) 4,500円
鹿革トートバッグ 7,500円
その他、糸のほつれ等の仕立て修理も承ります。(個別に見積りをご連絡します。)
他の型のバッグのメンテナンスもいたします。(型ごとの料金は順次アップしていきます。)
メンテナンスのお問い合わせ → info@nuitomeru.com
※ 件名に「メンテナンス依頼」とご入力ください。