「手塚治虫展」に行きました。

2014-7-14

昨日は滋賀県立近代美術館で開催中の「手塚治虫展」に行ってきました。
男兄弟に挟まれた私は、少年漫画育ちです。
子どものころ、家には常に週間の漫画雑誌が5冊ほどありました。
小学生向けのコロコロコミックは早めに卒業して、ジャンプ、サンデー、マガジン。
ほれたはれたの少女マンガには描かれない、夢や冒険が詰まった少年漫画に夢中になったものです。

当然、コミックもたくさん家にあるうえ、当時は貸し漫画屋というのもあって、
歴史ものからスポ魂、料理、推理、冒険もの、あらゆる漫画を借りては読破。
漫画喫茶ほどの量の漫画を読んだような気がします。
子どもには難しい内容も多かったものの、
そのなかでも漫画の神様といわれる手塚治虫さんの漫画には、子どもながらに衝撃を受けました。
なかでもブッダ、火の鳥は今でもよく覚えています。

人間と自然、正義、性愛、美醜、苦楽、生死、
ひとが生きることについての葛藤が描かれた作品群は、
ハッピーエンドにならない理不尽も多々あって、読中読後に考えこんでしまう。
ウォルト・ディズニーにあこがれていたという手塚さんですが、
手塚作品のストーリーから見え隠れする人生哲学は、
ディズニー作品のハッピーな世界観からは異彩を放ち、今も色あせない普遍性が感じられます。

アニメに関して言えば、
どうも、今のアニメは戦いや友情に偏っている気がするのは私だけでしょうか。
展開や動きが昔とは比べ物にならないほど刺激的で、視覚の面白さは格段にあがっているのですが、
画像への引き込まれ方が強い分、気がかりなことが。
勝負、友情、仲間、愛、家族、という価値観は、
視覚優位(イメージ)で一方的に刷り込まれるのは、ある意味怖いものだと思います。

昔の漫画やアニメは淡々とゆっくりしているように見えるけれど、
日本昔話だって、ハウス名作劇場だって、ドラえもんだって、サザエさんだって、
子どもの心をストーリーに引き込んでくれました。
 
 
半世紀のときを超えても輝きつづける手塚作品を、わが子にもしかるべき時期に読ませたいので、
今からじわじわと興味を持たせようとしているのでした。
次は宝塚の手塚治虫記念館にも行ってみようと思います。

(アツコ)

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