憲法のことを。

2013-9-27

普段からやたらと涙もろいわたしなので、
朝の連ドラでも、クサイ子どものアニメでも、つい涙ぐんでしまいます。
正義とか愛とかいう言葉が、軽く使われている毎日。
「正義」というのは、なんと危うい言葉なのか。

そんな私が最近読んでまた じーん ときてしまったのが、「日本国憲法」。
恥ずかしながら、全文を通しては読んだことがなかったので、
憲法改正が騒がれている今だからこそちゃんと知ろうと思い、何度か読み返しています。
「大日本帝国憲法」「ポツダム共同宣言」自民党による「日本国憲法改正草案(2012年)」も読みました。
 
 
この憲法が制定される以前、この国には基本的人権の発想すらなかったのだと、
その時代を生きた人々のことを想い、
また犠牲になった人々の気持ちを想像し、
日本国憲法がつくられた意味を深く考えたいと思う。

公共の福祉、権利と義務、公益と公の秩序、
それぞれの意味を噛みしめる。
押しつけ憲法だとか、時代にそぐわないだとか、
憲法がつくられる経緯やその前後の情勢、
新しい憲法をどのように当時の市民が迎え入れたのか、
制定の時期やその後の認識、憲法の成した役割も知ったうえで、
さらには国家、人権、家族、ひとつひとつの言葉に含まれる意味や歴史も考えつつ読み解く必要があり、
単純な議論では済まされないと思う。

変えること、変えないこと、それぞれが何を意味するのか、
「成長」という言葉を憲法に綴るのはどういうことなのか、
いろんな角度から、もっともっと考えられるべきだと思います。
まともな議論もなしに、雰囲気だけでどちらかに偏ることほど恐ろしいことはない。
報道で騒がれた、喧噪のなかで決めてほしくない、という発言にはどういう意図が含まれるのか。
(この言葉は、立場と原文、前後の文脈込みで読解する必要があると思います。)
これだけでもたくさん考える材料になる。
今を生きる人が、ちゃんと見極めなければ。

憲法12条によると「・・・自由および権利は、国民の不断の努力によってこれを保持しなければならない。・・・常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負う」のである。
この条文を憲法につづることの意味。
なかった権利を初めて加え、それを守ることの意味。
加えて、第12章 97条で「基本的人権を永久の権利」と重ねて宣言することの意味。
 
 
戦争を知るかたの中には、その忌まわしい記憶を封印しているというかたも多いことでしょう。
太平洋戦争を知る世代がいなくなってしまう前に、
戦争の悲惨を、
何かにつけ「知らない」という状況がどれほど恐ろしいことかを、心に刻まなければ。
たとえ残酷な現実に翻弄されたとしても、何が大切かを見失わないように。
 
 
映画「風立ちぬ」でも、なんとなく始まってしまった戦争。
企業人も技術者も、無謀だと知りつつ加担を余儀なくされる戦争。
その大義名分や志がどうであれ、
実際の戦争に必要なのは訓練された非人間性と妄信なのだ。
そうして少年兵の命はゼロ戦で散った。
「秘密保全法」で何が秘密にあたるのかは秘密だという。
歴史に偶然はないと、どこかで聞いた。
そのために綿密な下準備がなされているのかと、ひとつひとつ疑うことも必要なのか。
 
 
アースデイ・しがで上映した映画「カンタ!ティモール」の青年アレックスから
2011.3.11後に送られた、日本人へのメッセージ。(要旨)

「自分たちの仲間が10人にしか見えなくて、対するものが大きくて1000人にも見えても、それが、本当にいのちがよろこぶ仕事であれば、1000どころではない亡くなった人たちがついていてくれるから、恐れないで続けてください。もしどうしても仲間が10人にしか見えなくなったら、ぼくたちのことを思い出してほしい。ティモールは小さく、あの巨大な軍を撤退させることができたら奇跡だと笑われた戦いでした。でも最後には軍は撤退して、それは夢でもなく幻想でもなく現実に起きたことだから、どうか信じてください」
 
 
いつの時代も世界のどこかで多くの人、生物、自然が、何らかの犠牲になり続けている現実。
犠牲になった者たちは何を望んでいるのか。
恨み、復讐、後悔、平和・・・
人間は愚かな生きもので、自分もそのひとりなのだと、いつもぐるぐる考える。
悲観的な気持ちになっても、前向きでありたい。
惰性とともに日々を生きる、その矛盾を抱きつつ。

よく野花をつんできて、プレゼントしてくれるわが子。
このままでいてほしい。
 
 
(アツコ)
 
 
参考: 秘密保全法制とは(日本弁護士連合会)

    Wordの履歴機能で、自民党が変えた憲法を見てみる
 
 

commentする



CAPTCHA


ページの先頭に戻る