2013年のモノづくり
2013-1-13
今は新作、試作を中心に取り組んでいます。
昨年、旅行で訪れたとある場所で出会った漆喰の壁が、とても印象的でした。
観光地の商店街の裏手にある普通の塀でしたが、風や雨にさらされできたシミや劣化は水墨画のようで、素朴な美しさがありました。
ただの「汚れ」と違うのは、その材質によるところが大きいのだと思います。
こういう、意図しなくとも「育つもの」の良さを改めて感じて、
これまで避けてきた「素上げのヌメ革」を使おうということになりました。
白ヌメ革は“素っぴん”の革ですから、いわゆるマニア受けというか、革好きの人が好む革です。
水や油でシミが付きやすく、日焼けでどんどん色が変わっていきます。
使うほどに馴染んで汚れやシミが重なり味となるので、持ち主がオリジナルのものに育てていく革なのです。
それが好きという人がいる一方で、それが困るかたもいらっしゃると思います。
そのうえ、色ものの方が服装に合わせやすいこともありますから、実は白ヌメ革というのは避けられてしまいがちなのです。
そういうわけであまり作って来なかったのですが、今年からは「育てる楽しみ」も伝えていければ、と思っています。
ヌイトメルとしては、より「自然」に沿ったものを作っていきたいと考え、できる限りその思いを貫きたいと思っています。
というわけで、試作の白ヌメ巾着バッグ、ここから育てます。
他にも新しいカバンや小物も少しずつ増やしていきますので、少しずつブログで紹介したいと思います。
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