おおきいトートを作る

2012-2-25

常々、鞄の好みは、おおきくトート派、ボストン派に分かれるなぁ、と思っています。
他にもショルダー派、リュック派、かご派、なんかもあると思いますが、
普段たくさん荷物を持ち歩く場合は、ざくざく入れられるトートか、ファスナーのついたボストンか、なのでは?

私は、どちらかといえばフォルム的に好きなボストン派なのかなと思いますが、
友人にはトート派が多いような気がします。

ある友人から依頼された鞄のお話です。
仕事で時々1~2泊程度の出張があり、
その鞄ひとつに、着替えも、仕事の資料もぜんぶ入って、
打ち合わせや取引先などある程度かしこまった場所に持って入ってもOKで、
丈夫で長く使えるトートバッグが欲しい、とのこと。
中の内装も最小限、仕切りや装飾もなくシンプルなデザインで、
素材は、やっぱり流行りすたりがなく耐久性もある上質な革製がいいと。
探しているけどなかなかいいのが見つからないらしく、
これにしようかなと一応目星を付けていた鞄が売り切れてしまい、困っていたそうで。

こういう需要って、少ないかもしれないけどあるんだろうなと思いました。
特にフリーで仕事をする人で、スーツで勤務するわけでなく、
あまりかっちりした鞄は好きでないし、服装に合わないし、
大きいといってもナイロンや、布製、メンズの鞄も違う。
だからといってレディースブランドの女性的な鞄もなんとなくしっくりこない・・・
好みの鞄はナチュラルに寄り過ぎているので、オフィシャルに使えない、などなど。
そういう需要は、多分働く女性にあるような気がするので、重いのもNGです。

普段フルオーダーは受けないのですが、うちに当てはまる商品がなかったので、
うまくいったら商品化もできるし、作ることにしました。
逆にこちらに協力してもらうカタチになっちゃいましたが。

出来上がったのは、容量たっぷりスクエアトートバッグです。

 

革選びは迷ったのですが、たくさん荷物を入れるしできれば一生(!)使いたいとのことで、
やっぱり強度もあって使うほどになじむ牛革にしました。
ハンドルは重量に耐えられるように共革に芯を入れ、
裏地とファスナーポケット付きでも、予想していたより軽く仕上がり、820gでした。
重さはまずまずの合格ラインかな。
友人の雰囲気に合うかなと思ったので、中にブルーのラインが入ったリネンテープをあしらって、
中は少しかわいらしい感じに仕上げました。

  

先日完成品を納品したところ、お気に召していただけたようです。
今頃は早速出張デビューしていることでしょう。

さて商品化ですが、革を変えて作ってみることにしました。
まだ試作段階なので、実際に使ってみて使用感を確認中です。
完成次第、また改めてご紹介したいと思います。

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