福島訪問レポート(1)

2011-10-16

3.11、3.14以降、日本中の関心が集まることになった福島県。
9月に初めて福島県を訪問し、今回見たこと、やったこと、感じたことをレポートします。


 
今回の福島訪問が実現したのは、プロップスフェスティバルというイベントの取り組みとして、有志が集まって実際に現地へ行こうということになったからです。
プロップスフェスティバル(以下プロップス)では、毎年テーマを決めて、出展する職人や作家たちが集まって話し合い、イベントを作っていきます。
今年は、やはり東日本大震災をテーマにすることは避けて通れず、このイベントを通して積極的に復興に関わっていこうということになりました。

僕は、機会があれば実際にこの目で被災地の状況を見て感じたいと思っていたので、参加することにしました。
今はフリーの仕事をしているおかげで時間の都合もつきやすく、それほど無理なく参加できる身であることが、何より幸いでした。
 
 
目的は大きく3つ。

二本松市の障がい者就労支援施設「アクセスホームさくら」で、利用者さん、職員さんとの交流。

福島市の保育園「そらまめ」でワークショップ。子供たち、保護者さん、職員さんとの交流。

海岸沿いの被災地の状況を見る。
 
 
二本松市の「アクセスホームさくら」さんへは、プロップス主催の永田氏が直接連絡を取り合い、訪問が実現しました。
こちらは障がい者の継続的な就労を支援をされている施設で、震災前は多くの仕事を請け負い、ここから一般企業へ就職された利用者さんもいらっしゃいます。

 
 

もともと浪江町の、福島第一原発から7~8kmの地点にあり、事故後はいったん閉鎖。
その後バラバラに避難されていた職員の方々が集まって、利用者さんのために移転し再開されたそうです。
移転地を除染し、国の助けを全く借りず、これまで築いてきたネットワークを使って、完全に独自の力で移転・再開の準備をされたとのこと。

障がいを持つ方は健常者に比べて環境変化への対応が難しく、新しい環境に慣れるまでに時間がかかるそうです。
避難所での生活に馴染めず、放射線で汚染されている避難準備区域であっても自宅に戻って来られるということ、また行政はそこまで手がまわらず、援助が不足している現状は人づてで聞いたことがあります。
 
 
事故後、福島県には避難区域以外にもホットスポットと呼ばれる放射線量が高い地域が所々存在しています。
今の二本松市にある作業所の裏庭は、場所によっては除染前はかなり高い放射線量が確認されていたようです。
除染後で1マイクロシーベルト/毎時(空間線量)ですが、格段に低くなったそうです。
年間被ばく許容量1ミリシーベルト/年(※現在は政府により20ミリと変更されている。これは従来放射線を浴びるような特殊な専門職に就く大人に対する限度として定められた数値)で、マイクロは、ミリの1/1000。
ちなみに、震災前の空気中の数値、0.04マイクロシーベルト/毎時。
大阪での現在の数値は、空気中で約0.07マイクロシーベルト/毎時だそうです。

作業所のみなさんに大阪名物たこ焼きをふるまいました。
たこやきを焼くのは初めてという人も多く、交代でいくつものたこ焼きを焼き、みなさん喜んでくださいました。

 

お返しに浪江名物「浪江焼きそば」と、手話付きで歌を披露していただきました。
その歌がとても良くて、感動しました。
 
 
その晩は、キャンプすることになっていました。
二本松市から少し西の安達郡にあるキャンプ施設は除染済みとのこと。
そのためか、予想に反して多くの利用客が。

 

台風後急に冷え込み、この連休はとても寒かった・・・。
温泉で温まり、テントで就寝。
 
 
つづく → 2日目レポート

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