ミニ巾着

2023-8-16

薄く漉いた革を貼り合わせて、中も外も表革にした1mmの厚みの革で

軽く薄く、とてもシンプルな小さいバッグ。

乳白色の小さいリングがポイントの「ミニ巾着」は、2022年から作っています。

紐の通り道を細くしているので、絞りきれないバッグ口がほどよく開いていて

薄い革が裂けてこないように、ひと針の縫い目に工夫も施して

細い革の丸紐で滑り良く、肩当てパットの革プレートで紐を束ねる。

隠れる部分でつなげているから、紐のどこにも結び目がなく

紐の中継地点、鹿ツノのリングには

キーホルダーやストラップを結び付けたりもできる機能も備わっています。

Sサイズはショルダーが短めでスマホがすっぽり隠れるから、スマホショルダーとして使えます。

スマホ、プラス、キーケースや小さいエコバッグなど

他のものも少しだけ入るように、形をまるくして余白をつくっています。

Mサイズはひとまわり大きく、ショルダー紐は少し長め。

財布も一緒に入るポシェットになります。

どちらのサイズも、紐の長さはオーダーで変更可能で、紐の短いタイプもあります。

 

カーフ(仔牛革)は、黒、オフホワイト、グレージュの3色展開です。

内側とショルダーを黒にした配色タイプと

ナチュラル色の紐がつく内側同色タイプの2種類。

カーフは牛革のなかでも最高級の革。

キメの細かさと薄く軽くしなやかな革質に「トラ」といわれる独特の模様が入るのがカーフの特徴。

表面が均一なスムース革にはない表情、カーフの象徴であるトラが

シンプルなバッグを格好よく魅せてくれます。

 

 

同じ形の素材違い

ディア(鹿革)では、黒、ネイビー、ライトブラウン(鹿革の黒以外は在庫限り)

ディアにはナチュラルマークや色むら、シボの粗い部分も入るため、毎回限定価格で在庫限りの販売です。

北方遊牧民の伝統的な工芸を取り入れて

鹿革と鹿ツノのポシェットには、ピューターワイヤーの手刺繍を施すタイプも。

北欧ラップランドのサーミ族による

トナカイとピューターの手工芸、サーミクラフトを模して

ピューターワイヤーでクロスモチーフを刺繍した小さなバッグを

時間を見つけて、時々製作しています。

手しごとを通して、先住民族から現代まで受け継がれた人の営みが見えてきます。

日々の暮らしに組み込まれた長い時間をかけて生み出される

刺繍や織物、彫り物に施される繊細な模様や造形は

機能的な道具に、意味や価値を加えること

それは祈りや想いを乗せる作業でもあり、健やかに生きるための知恵でもあり

伝統をつなぐ手段でもあると、手を動かしながら考えます。

 

また鹿革は日本でも古くから親しまれていた素材で

巾着袋は道具や収穫物、あるいは貨幣を入れたり運ぶために

古代より人が世界中で使い続けている優れた道具です。

なぜか巾着のバリエーションばかり作ってしまうのは

使いやすく実用的だからなのかなと思います。

 

歴史的には名もなきひとが受け継ぐ手しごと

その営みに敬意を払いながら

自分たちがつくる意味を僅かばかりでも見出す作業として

現代の生活にも寄りそうものに

そういう想いをひそかに含み持つ、温故知新を生み出せたらと思います。

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