秋の予定

2013-9-6

秋の出展スケジュールが出揃って、製作の真っ只中です。

 こちらから → 2013 年間スケジュール
 
 
 
今週、「工房からの風」のDMが届きました。

今週末、「galleryらふと」で、工房からの風の催事があります。

 9/7(土)・8(日) 11:00~18:00  ぬくもりを届けよう 2013 
 

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夏の思い出

2013-8-31

あっという間に終わってしまった初めての夏休み。
字が苦手で絵日記に悪戦苦闘の長男は、書けないことにべそをかくこともありましたが、
なんとか宿題を終えて、いよいよ来週から新学期です。

たくさんの夏の思い出。
びわ湖で水泳、川遊び、生きもの探し、
スイミング、夏祭り、花火、地蔵盆、
アサガオの観察に水やり当番、
友達の家でお泊まり、映画、
新幹線に乗って伯父さんのところへ遊びに行ったこと、

ひとつひとつ、心に刻んで。

   
     
   

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リネンの色のこと

2013-8-11

「亜麻色」と言われる、リネンのナチュラル色のことに触れます。

現在、グレーがかったベージュ色をリネンの「ナチュラルカラー=生成り色」と呼びます。
リネンのナチュラル色は、脱色や染色をしていない繊維そのままの色のことです。
ですから、毎年微妙に色が変わるといいます。

かつてのリネンの生成り色は、白っぽいベージュ~金色だったそうです。
ウィッグの「亜麻色」はこの色のようですし、美しい髪は「亜麻色の髪」といわれます。

でも、なぜ今の生成りと色が違うのか不思議に思い、「亜麻色」の移り変わりの歴史を紐といてみました。

前回に書いた、茎を水に浸す工程。 → リトアニアリネンのこと 2
昔は川にフラックスを浸し、茎を柔らかくしていたそうですが、
フラックスの残骸で川が汚染されることから、イギリスでは16世紀中ごろには禁止されたそうです。
代わりに穴やタンクなどで水に浸けていたのが、経済性と環境保護の点で、
西欧では20世紀から刈り取ったフラックスはそのまま畑に置いて発酵させ、
残った茎の繊維を取り出すという製法に変わったそうなのです。
この頃から、リネンの生成り色は今のグレーがかった色に変わったようです。
今はこの工程も機械化されているようですが、畑で発酵させる製法が残っている地域も多いといいます。

ということで、昔の亜麻色は光沢を帯びた薄ベージュだったようですが、
個人的には現在の生成り色のほうが好みです。
産地でも色にはこだわりがあるようで、
○○年の色が良かった、とか
今年の色は薄いね、とかいう話もあるそうです。

・・・リトアニアリネンからは少し脱線しましたが、
奥の深い「亜麻色」のおはなしでした。

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銀行ポーチ

2013-8-18

冬に少しだけ紹介した、ファスナーポーチです。
鹿革と、仔牛革(カーフ)で作りました。
仔牛革は革の在庫があるだけの限定数量の販売です。

両面のファスナーポケットは持ち手を引っ張れば同時に開けることができます。
浅い方と深い方のポケットの中にはそれぞれに仕切りがついていて、小銭やカード、レシートなどを区別できます。
ポケット口はやわらかく追従するため、中のものが見やすく取り出しやすい。

 

中央口はスナップが2つ。
中央部分にも仕切りが付いていて、お札と通帳、パスポートが入ります。
内縫いのためふくらみがあり、見た目よりもものがたくさん入りますが、
パンツのヒップポケットに収まる大きさです。

もともと、屋外のイベントでお釣り用の財布に不便していて、考案したポーチです。
だからその名も「銀行ポーチ」。
銀行に持って行くポーチや財布として使ったり、
スマートフォンも入るので、小さなセカンドバッグ代わりにも。
腕に引っ掛けられるので、貴重品の持ち運びも安心です。

リネン裏地、真鍮スナップを使用。

鹿革はナチュラル、ライトブラウン、ダークブラウン、ネイビーの4色、
(※2014.10月現在販売を中止しています。下の追記をご参照ください。)

仔牛革はキャメル、ブラウン、ダークブラウンの3色です。

商品ページはこちらから

  → ヌイトメルのもの

(2014.10.3 追記)
銀行ポーチ、鹿革のものは現在販売を中止しております。
ファスナー開閉の多い小物では、鹿革は牛革に比べてファスナー部分の革の劣化が早くなるおそれがありますので、革を牛革に代えて現在準備中です。

牛革の銀行ポーチ 色展開(予定) : ブラウン、キャメル、ネイビー

サイズを現在のMサイズに加え、ひとまわり大きいLサイズも展開予定です。
完成しましたら、商品ページに順次追加していきます。

(この商品について、何かご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。)

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リトアニアリネンのこと 2

2013-8-4

嫁入り道具のハウスリネン、刺繍を代々の女性が受け継ぐことなどが伝統として残っているところも多いという、ヨーロッパ諸国の家庭では日常のなかで親しまれているリネンの生地。
それは絵本にも描かれていて、東欧(現在は中欧に含まれるみたいです)チェコのキャラクター、もぐら“クルテク”の「もぐらとズボン」では、
リネン生地の作り方がそのままストーリーになっています。

クルテクが干してあった青いズボンを見つけるところから物語ははじまります。
同じものが欲しくなったクルテクはズボンを探し始めますが、
誰に聞いてもわからなくて途方に暮れて泣いていると、
近くに咲いていた亜麻の花が手に入れる方法を教えてくれます。

クルテクはいろんな虫や動物、生きものたちに手伝ってもらいながら、
亜麻の繊維を取り出し、糸を紡ぎ、生地を織りあげ、
最後にはズボンが完成する、というお話。

 

実際にフラックスから取り出された繊維は、
リトアニアで古くから続く製法と織機で織りあげられていくそうです。

絵本のストーリーを追いながら、リネン生地のできるまでを紹介していきます。

 
リネンの原料はフラックスの茎の部分ですから、
収穫した亜麻の茎を水に浸して柔らかくしてから、茎の繊維を取り出します。

 

機械の中で不要物を取り除きます。

茎を梳いていきます。

 

お湯につけて撚っていき、糸を乾燥させます。

 

カセという、紡いだ糸を巻き取る道具と、整経(せいけい)という、経(たて)糸を織機にセットする工程。

 

織機で織りあげていきます。

検品

生地の目を整える生地整経という工程。最後に生地を巻き取っていきます。
 

これは染色の釜です。

ここで紹介させてもらったのは、
こうして出来上がった生地の縮絨(縮めること)をしたり、
製品に仕立てる縫製までを請け負ったりもしているほどの、大規模工場です。

ミシン場や製品の検品、出荷作業
 
 
 
このように生地にかかるほとんど全ての工程を工場内あるいは国内で行っているところは、現在、かつて繊維業のさかんな産地であった場所でも減ってきているように思います。
例えばリネンの産地として有名なアイルランドでさえ亜麻栽培や紡績※は他国に頼っているそうで、
原料はヨーロッパ産のフラックスだとしても紡績は中国などで行われているといいます。
日本でも紡績工場はすでに国内にはなくなってしまったと聞きました。
※紡績=短い繊維を撚り合わせて糸にすること。繊維に撚りをかけることによって、糸の太さを維持し糸に丸みをつける、弾力伸度をもたせる、などの効果があります。
 
 
工場によって織機や製法は微妙に異なるようですが、
リトアニアリネンはネップと言われるリネン独特の節(フシ)が多かったり、
吸湿性を高めるために不均一に厚く織っていく伝統の織り方など、ある意味粗野な表情が特徴です。
高級なアイリッシュリネンのように、細い糸で緻密に美しく織りあげる気品の高いリネンとはまた違った、
日常使いに適した素朴さ、タフさが魅力なのです。


 
 
つづく。 → リネンの色のこと

(画像提供:Faux & Cachet Inc. )

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