リネンの色のこと

2013-8-11

「亜麻色」と言われる、リネンのナチュラル色のことに触れます。

現在、グレーがかったベージュ色をリネンの「ナチュラルカラー=生成り色」と呼びます。
リネンのナチュラル色は、脱色や染色をしていない繊維そのままの色のことです。
ですから、毎年微妙に色が変わるといいます。

かつてのリネンの生成り色は、白っぽいベージュ~金色だったそうです。
ウィッグの「亜麻色」はこの色のようですし、美しい髪は「亜麻色の髪」といわれます。

でも、なぜ今の生成りと色が違うのか不思議に思い、「亜麻色」の移り変わりの歴史を紐といてみました。

前回に書いた、茎を水に浸す工程。 → リトアニアリネンのこと 2
昔は川にフラックスを浸し、茎を柔らかくしていたそうですが、
フラックスの残骸で川が汚染されることから、イギリスでは16世紀中ごろには禁止されたそうです。
代わりに穴やタンクなどで水に浸けていたのが、経済性と環境保護の点で、
西欧では20世紀から刈り取ったフラックスはそのまま畑に置いて発酵させ、
残った茎の繊維を取り出すという製法に変わったそうなのです。
この頃から、リネンの生成り色は今のグレーがかった色に変わったようです。
今はこの工程も機械化されているようですが、畑で発酵させる製法が残っている地域も多いといいます。

ということで、昔の亜麻色は光沢を帯びた薄ベージュだったようですが、
個人的には現在の生成り色のほうが好みです。
産地でも色にはこだわりがあるようで、
○○年の色が良かった、とか
今年の色は薄いね、とかいう話もあるそうです。

・・・リトアニアリネンからは少し脱線しましたが、
奥の深い「亜麻色」のおはなしでした。

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