GOMAさんの記憶

2011-8-8

初め、その一報を人づてで聞いた時、あぁ、大変なことになってしまったんだ、と絶望感を覚えた。

彼は、もう15年以上も前に、当時親しくしていた仲間うちのひとりでした。
現在は世界的に有名なディジュリドゥー(オーストラリア先住民・アボリジニーの楽器)奏者であり、今は画家として活動もされているGOMAさん。

彼は2年前、追突事故で記憶の一部を失い、脳の後遺症を抱えて音楽活動を休止していました。
彼も、その家族のことも心配だったけれど、その時の状況を考えると連絡を取ることはためらわれ、ただ、良い方向へ導かれることを願うことしかできませんでした。

しばらくして、彼が絵を描き始めたということを知りました。
そして、その絵をインターネットで見たとき、衝撃を受けました。

あぁ、彼の才能はとどまることがないのだと、感激し、純粋に感動しました。
  
  
そんな彼が、今年の春から音楽活動を再開し、また大阪で初めて展覧会を開催するという情報を入手。
今か今かと待ちわびていた「記憶展」が、ついに始まりました。

忘れられているかもしれないとの不安も抱きつつ、会場へ。
再会した彼は、おだやかな表情で微笑み「久しぶり」と声を掛けてくれました。
古い記憶は脳の奥にあるため、昔のことのほうがよく覚えているらしく、脳と記憶のメカニズムの妙で覚えていてくれたことが、単純にうれしかった。

逆境でも流されず前へ進む彼と、絶望していたであろう彼を再起まで支え続けた彼の奥さん。
昔から芯が強かった彼女は、やっぱり強い人だった。
これからも寄り添いつづける彼女と、彼が表現する作品を、大阪から見守り続けたいと思います。

なんとなくふわふわしていた心が、勇気づけられました。
ありがとう。
  
  
GOMA 記憶展 ~第二章~ @OSAKA
2011.8.5 (fri)~8.14(sun)  PINE BROOKLYN(福島区)

 詳細は → http://pinebrooklyn.com/schedule.html
GOMAWEB.NET : http://www.gomaweb.net/
  
  
画像で見るよりも圧倒的な迫力の原画は、必見です。
作品のポストカードも販売されています。

  

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