ちいさいビスケット

2014-8-21

牛革バッグのシリーズに、あたらしいサイズをつくりました。

ビスケットバッグを少し横長にして、少し浅くしました。
ビスケットとコッペパンのあいだくらいのイメージです。


 
サンプルはナチュラル色で試してみました。
色展開は、まずはキャメル~ブラウン系で商品化する予定です。
そのときにまた詳しく紹介します。
牛革シリーズ、少しずつ増やしていきたいと思います。

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「平和」を考える

2014-8-10

平和ということばの反対は、なんでしょう。
誰かは「戦争」といいます。
誰かは「無秩序」といいます。

「平和」というのは状態を表すことばなので、「混乱・混沌」というのがしっくりくるような気がしますが、
平和という状態も定義がなければ曖昧なので、
個々それぞれに「平和」という状態の認識があるのかな、と思います。

なんでこんなことをいうのかというと、今は平和なのかな、と考えるからです。
地域を限定して、その地域が「戦争じゃない状態」を平和というのなら、
今のこのあたりは平和なんだろうけれど。

8月。
毎年、私も平和について改めて考える時期なのです。
わが子にどうやって平和という概念を伝えるのか、というのがこのところの私の課題です。
広島、長崎を伝えること。
戦争の悲惨を伝えること。
現在がどれほど幸せな生活なのかを伝えること。
どれもこれも、子どもにとってピンとこなければ、心に響かないのかもしれません。

終戦後69年が過ぎる今、戦争を体験した世代が日本に少なくなり、
後世に戦争をどう伝えるかが課題になっているようです。
直接に戦争体験を聞くこと、戦争を身近に感じることを第一歩にして、
現代の人が過去の戦争に興味をもつ努力が必要とされています。
そう、意識し努力しなければ、興味をもつことさえできないのです。

昭和生まれはまだ第2次世界大戦、太平洋戦争は身近に感じられたかもしれません。
でも、自虐史観ということばや、洗脳ということば、
ナショナルな主張がそこかしこで目立つこのごろ、
特に反戦教育を受けている私と同世代にもそういった言葉が飛び交っている様は、
あの時代を多面的に見ようとしているのか、逆の一方向からしか見ないようにしようとしているのか、
よくわからない事態になってきているように感じます。
アイデンティティを国家や歴史、ルーツに求めようとするのかもしれません。

いずれにせよ戦後の教育のありかたを、改めて問うべきでないのかと思うのです。
そのうえでこれからの反戦・平和教育をしていかなければ、
これからの子どもたちからは、あの時代がますます遠いものになってしまう。
 
 
昨年、映画「ハンナ・アーレント」が話題になっていました。
ひとりのナチスの戦犯を裁く裁判を傍聴し、記録したドイツ系ユダヤ人の哲学者、ハンナ・アーレント。
アイヒマンというひとりの人間が、なぜ非道な任務をこなすことができたのかという、
人間としてひとりひとりが自覚すべき「凡庸な悪」について追求した一人の女性を描いた物語です。

わたしもあなたもアイヒマンになる可能性がある、という彼女の視点は、
時を越えて、いつの時代もわたしたちが最も持っておく必要がある視点だと思います。

 参考サイト : http://www.cetera.co.jp/h_arendt/

          http://gendai.ismedia.jp/articles/-/37699

 

加害する側、被害を受ける側にも、それぞれ何かしらの考えや動き、それに至る必然性があるはず。
(必然性に関しては例外もありますが。)
人を殺すという行為を遂行するには、直接手をくだす加害側にもそれ相応のダメージがあります。
そのダメージを軽減させるために麻薬(覚せい剤)が使われていたという事実は今、公には学べません。
私たちは、いつでも加害者になる可能性が否定できない。
すでに何かしらのつながりで、加害者になっているかもしれない。
人間性というのは、人権とおなじく
それを常に保つ努力をしないと簡単になくなってしまう危ういものだと自覚したい。
そのうえで、被害者側の視点とともに加害する側の視点と心理を一緒に考えていくことが、
これからの反戦教育に必要なのではないかと考えています。
どちらかに偏ることのないように、
また、ゲームを動かす支配者然とした視点ではなく、
つねに現場のリアリティをもった感じ方、考え方ができる人間性が育つよう。
戦争を拡大させるのも、戦争をしないと決めるのも人間ですから。

大事なのは、つきなみですが、「対話」です。
反対意見を共感しようとする感受性もまた、対話には必要だと思います。

秩序正しい状態が全ての人にとって平和だとは思えないから、
無秩序の反対が平和というのも、違うんじゃないかなと思います。
自虐という言葉にも、自分を被害者ととらえた視点が目立つように思えてならない。
「平和」な状態の反対は、個々の人間性が保たれない状態を指すのではなかろうか。
 
 
ただ、ひとつ譲れないこと。
できるだけ善悪だけで物事を考えたくないですが、
核兵器に限らず、人の殺傷目的で作られる兵器は全て「悪」だとわたしは思います。
 
 
(アツコ)

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今年も沖島に行きました。

2014-7-29

先週の土日に、今年で3回目になる「びわ湖夢王国・ワクワク沖島ツアー」に参加してきました。
「びわ湖夢王国」とは、首都を沖島とするパロディ国家です。
ツアーはいつものおじいちゃんと孫の集いから一転、今年は50人ほどの参加者がいて、進化していました。
何ごとが起こったのかと思ったら、「おきしま倶楽部」という組織と連携することになったそうです。
事務局が用意され、きちんとスケジュールが組まれていて、ちゃーんとツアーの体になっていました。

日本でただひとつ、世界でもまれな淡水湖の有人島。
今回は世界唯一(らしい)の湖上の小学校、「沖島小学校」の中も特別に見学させてもらえました。
平成7年に建て替えられたという木の校舎は、
そのたたずまいもさることながら校舎の中も、窓から見える景色もすばらしくて。

 

全校生徒は現在11人で、2年生はいないそう。
マンツーマンに近い決め細やかな授業は魅力で、島の外から通っている子もいます。
この学校、廃校にはしたくない!

島の暮らしは魅力にあふれています。
途中には鮒寿司をつくっているおじさんがいたり、梅を干していたり、
道行く人はみんな自転車や三輪車。
浜までは両脇を畑に挟まれた細い道を、水着でひたすら15分ほど歩いていくのですが、
暑くて大変ながら、その道のりは懐かしくも新鮮で。

  

浜に着くと、地元のかたと一緒に他の団体が地引網を引いている最中でした。
なかなか見られない光景でしたが、
地引網にはブルーギルばかりで、たまに小さな鮎やらがかかっているような、今の湖内の様相が伺えて。
びわこで外来魚の被害は大きいですが、バスフィッシングが琵琶湖観光の主流にもなっている現状。
滋賀県としてもなんとか共存していく道を模索するのが現実的なのでしょう。
「リリース禁止」は、釣り人による駆除にもなりますから、どんどん釣れてほしいものです。
近頃はブラックバスよりもブルーギルのほうが増えているそうで。
もともとは食用として日本に持ち込まれたブラックバスとブルーギル。
ブルーギルを食べるのは抵抗がありますが、ちゃんと処理したらおいしいみたい。
淡水魚は臭いとか寄生虫とか、調理が難しいようなイメージがありますが、
海釣りのように、バスとギルも「キャッチ&イート」を主流にすることはできないのかな、と思います。
うーん、まずはどこかで一回食べてみるか!

このところ、「おきしま倶楽部」などが近江八幡や沖島地域と連携しつつ、
沖島を盛り上げていこうという動きがあるようです。
継ぎ手の少ない沖島の漁業をたやさないよう、島の人口を増やしていきたいということを、
島のかたがおっしゃっていました。
いつごろからかはわかりませんが、古民家の再生や移住、民宿をするような計画もあるそう。
うちは現状を考えるとなかなか難しいですが、「半漁半X」という生活にも、とっても惹かれます。
 
 
今月、エルマガジン社から新しい「滋賀の本」が出ましたが、こちらでも紹介されていました。

びわ湖だけとは言わせない、と書いていますが、びわ湖だけでもたくさん楽しめます~。
いよいよ沖島が熱い?!と思うのですが。興味のあるかたは、いちど行ってみてください。

  沖島については、詳しくはこちらで → おきしま倶楽部

探してみると奥が深い。
滋賀にはそういう、じんわりといいところがたくさんあるみたいです。
湖北の観音さま、ローカル鉄道、史跡、建築、歴史さんぽ。
焼きもの、織もの、
地元食材、伝統野菜、地酒・地ビール、
食べもの、のみもの、マルシェにアート。
 
 
・・・この滋賀本に、ヌイトメルも少しだけ紹介していただきました。

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革の素に思いをよせる

2014-2-20

革のはじまり

革のもとは動物の皮膚です。
太古の昔から、人々は動物の皮を利用してきました。
森の落ち葉に埋もれた水たまりに漬かっている動物の死骸が、肉は腐っても皮膚は腐っていなかったのを見つけたのが、人類が植物タンニン鞣(なめ)しを発見した時と言われています。これは、落ち葉や木切れからタンニン(渋・ポリフェノール)が水に溶けだし、天然のタンニン鞣しが行われていたと考えられます。
皮は紀元前から世界各地で、渋のほか灰汁や油など様々な方法で鞣されてきましたが、
19世紀のイギリスで、オークの木から抽出したタンニンを使った皮の鞣しが始まりました。

英語で tan は「皮を鞣す」、語源はオークを意味し、
製革をタンニング:tanning、鞣す工程担う人(製革業者)をタンナー:tanner と呼びます。
その後ミモザやチェストナット、ケブラチョなどの植物の樹皮や幹から抽出したタンニン鞣しは、
いつしか日本へもその技術が伝えられ、革の滑らかな表面をあらわす「ぬめり」を語源として、
タンニン鞣し革が「ヌメ革」と呼ばれるようになりました。

   

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皮から革へ

このように、「皮」は「動物の皮膚」から「鞣(なめ)し」という工程を経て「革」になります。
タンニン鞣しの革は非常に時間と手間がかかるため、当時はとても高価なものでしたが、
なめしの技法や染色染料、加工方法も産業革命の影響を受けて進歩していきました。
1850年代にクロムなどの金属を原料とした化学薬品による鞣し技術が開発され、
革の大量生産が可能となり、革という素材が一般的に使われるようになりました。
その後、合成皮革、人口皮革という人工的なイミテーション革も開発されて、
ますます革という素材が一般的、かつ安価に手に入るものとなりました。

現在、天然皮革の「鞣(なめ)し」の工程は、大きく分けて、クロム鞣し、タンニン(渋)鞣しの2種類です。
(ふたつを合わせる方法の混合なめしの他、油なめし・白なめしなど伝統的な鞣し技術もありますが、ここでは割愛します。)
鞣す工程も、タンニンの液体槽に皮を浸す「ピットなめし」、タイコと呼ばれる大きな容器を回して鞣す「ドラムなめし」という方法に分かれます。

また、製革の工程(鞣しと染色)は全てタンナーが担っていますが、
染色には2種類の方法、染料を浸み込ませる染料染めと、顔料を表面に吹き付ける顔料染めがあります。
前者は革の風合いがそのまま表れるのに対して、後者は表面のキズ等が隠せるため均一な仕上がりになり、
一般的に両者を掛けあわせて染色されることが多いようです。

   
 
 
クロム鞣しと顔料染めは色々な意味で比較的安価で大量に作ることに向いているため、
現在の天然皮革はほとんどがこの技法を取り入れて製革されています。
また、表面が均一に美しく柔らかい風合いになり、クロムなめしには固有の優れた面があります。

一方、タンニン鞣し革にしかない特質と独特の風合いも長く愛され続けており、現在も世界各地の革の産地で製革されています。

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  つづきを読む → 鹿革の魅力

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ワークショップのお知らせ

2014-7-17

ワークショップ「ヌイトメル 刺繍入りプランターポット」

日時 : 7/20(日) 作業時間:1時間程度 (準備~仕上げまで)

      当日は随時作業を始めていただけます。
      場所に限りがありますので、混雑する場合はお待ちいただく場合がございます。

場所 : オーガニック&つながるマーケットしが / 長良山園城寺(三井寺)内 千団子社周辺 (大津市)

    ※ マーケットは雨天決行 (荒天中止)
    ※ 当店は革製品のため、雨天の場合は出店を中止する場合がございます。
      (天候により出店が難しい場合は当日朝にブログでお知らせいたします。)
       ↓ ↓ ↓
   7/20追記 : 今日の天気は曇り・晴れ・時々雨予報ですので、出店いたします。
           ワークショップを中心に、小物を持っていきます。

内容 :
革ポットに穴をあけて、好きな色の糸でちくちく刺しゅうをしていただきます。
好きな図案で柄にするもよし、
適当に穴をあけて自由に刺し子をしていくもよし。

※ 希望の柄図案があるかたは、あらかじめご用意いただくほうが、作業がスムーズです。
  こちらで図案はご用意いたしません。 (見本の刺しゅう入りサンプル有り)
  革の大きさは画像をご参考ください。

使う材料、道具と備品はご用意します。

 材料 : 牛革(ナチュラル、こげ茶) ループ用牛革 スパン糸(20番手) ハトメ
 道具 : 菱キリ 菱目打ち 目打ち 刺繍針 槌 ハトメ打ち具 ビニール板

    
 
 
下の画像のような手順で作業します。
初心者のかたは、自由に刺す刺し子タイプで。
色は多くても3色までにするほうが早く完成します。

  

刺しゅうや手芸に慣れているかたは、図案の刺しゅうにしても良いかもしれません。
色をたくさん使う場合や、刺繍が大きいとその分時間がかかります。

   

刺繍が完成したら、ループをつけます。
ループ位置は自由です。(サンプルは継ぎ目を見せる位置でループをつけています。)
刺繍の入れ方はループ部分を背になるよう想定してください。

   

 
 

当日は、プランターポット、S字フック、
革ボタンなどこまごましたものを中心にお持ちします。

(今回のワークショップはアツコが担当します。)

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