鹿革の小物

2021-1-31

鹿革の小物をシリーズで作りました。

鹿革の小物が作りたいとずっと考え続けていました。

10年間鹿革の巾着バッグを作り続け、天然の革は常に均一でないので、パーツの小さいものと一緒に商品を構成しないと革がものすごく無駄になってしまうことを痛感し続けていたので、この仕事を何年も続けているとその思いがますます積み重なっていくのです。

とはいえ、日々のバッグ製作に時間の大半を使っているので、新しいものがなかなか作れない。

サンプルを作る時間は他のことがストップするうえにトライ&エラーの繰り返しで完成していくので、

ものづくりをするうえで、生みの苦しみ+時間との戦いは「あるある」です。

そんなジレンマのなか、昨年はコロナの影響もあって比較的時間がつくれたので、本腰を入れて色々な構想に取り組むことができました。

 

鹿革は柔らかいので普通に考えると財布には不向きです。

財布にするには、牛革と同じ考え方と構成では鹿革の良さがいかせない。

鹿革は柔らかいけれどとても強い革で、柔らかいから形が柔軟に追従するという良さがある。

両面を貼り合わせると薄い鹿革でもしっかりとした張りもでる。

そして、鹿革の手触りが好き。柔らかくてすべすべで、頻繁に触ることでテリ、ツヤがでる。

その試行錯誤の中で完成したのが、鹿ツノのコンパクト財布。

これは、鹿革の柔らかさと細いマチによる厚みがポイントで、財布としての役割に加えて、

鹿の角パーツがデザインポイントになっている財布です。

これはこれで使いやすく、鹿ツノのビーズとリングがかわいくて好きなのですが、

随所に手がかかりすぎて結局は値段が高くなってしまう。

凝るのもいいのだけど、次にほしいのはもう少し簡素なシンプルな構造の

子どもに持たせることもできる、いい意味でもう少し手軽な、もう少しお買い得な小物。

 

イメージやディティールは頭にあり、

時間があるときに少しずつ構想を練っては試作を数年繰り返していました。

巣ごもりの年末年始から具体的に取り掛かり、バッグ製作の合間を縫って約1ヶ月、やっと納得のいく構成で完成しました。

財布、キーケース、ウォレットコード。

財布は2サイズ、内装はS・Mで違い、Mサイズにはストラップ・ショルダーの有無を選べます。

キーケースは1サイズ(財布Sと同じ)、内装は同じでストラップの有無を選べます。

ウォレットコード、ロープは長さをオーダーできます。

 

完成に近づく手ごたえが嬉しくて、ついインスタでチラ見せしたからには、fripon-friponneさんでの展示にも間に合わせたいと思って、ひたすらサンプルづくりに費やした日々。

この後のブログで、続けて商品ごとに紹介します。

 

1/30(土)からの「育てる手ざわり」でも実物をご覧いただけます。

(オーダーのみの受付、納期は3月上旬~末です)

 

只今、ウェブストアでも販売できるよう準備中。販売は2/20からです。

nuitomeru SOTRE

(2/10から商品ページをご覧いただけます)

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商品紹介(ブログ記事)はこちらから↓

鹿革小財布 M

  小財布 プレーン

  小財布+ストラップ

  小財布+ショルダー

鹿革小財布 S(ショート)

  小財布 ショート

鹿革キーケース

  キーケース プレーン

  キーケース+ストラップ

DEER×DEER HORN ロープ

  ショート / ロング

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展示会のお知らせ(船橋市)

2021-1-22

船橋市「fripon-friponnne」さんで、

木工作家 うだまさし さんとの2年ぶり、3回目の二人展です。

鹿革巾着バッグ各サイズと、細マチ巾着ポシェット

「DEER×DEER HORN」のコモノ、押口の財布とポーチ

山羊革のバッグとポシェット、お財布ポシェット

ピッグスエード巾着バッグ、結ぶトートバッグ

ナイロン×牛革のトートバッグ

などをご覧いただけます。

店頭分のみの販売のものと、オーダー受付可能のものがございますので、

詳細は後日(この記事の追記にて)お知らせします。

今回は残念ですが、ヌイトメルからの在店はいたしません。

商品については、インスタグラムなどでお知らせしていきます。

そして、fripon-friponneさんでの展示は今回が最後になります。

(詳しくはフリポンフリポンヌさんのインスタグラムで・・・)   

みなさまのお越しをお待ちいたしております。

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育てる手ざわり 木/うだまさし 革/ヌイトメル

2021年1月30日(土)~2月6日(土)

CLOSE:1/31(日)2/1(月)

OPEN:12:00 - 17:30

※初日1/30(土)16:45まで予約制(ご予約受付終了しています)

fripon-friponne

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NEWお財布ポシェット(Mサイズ)

2021-1-30

お財布ポシェットをリニューアルしました。

2014年から細々と作ってきたお財布ポシェット。

いちばんはじめは鹿革で作っていて、ひとまわり小さいサイズでした。

鹿革の質の良い部分も裁断で小さく残るので、小さいパーツ使いで何か作れないかと、編み込んだような段差のあるパッチワークをいくつかデザインしました。

何年かすると一般的にスマホ画面が大きくなっていたので、

次につくったのはひとまわり大きいサイズで、中に入れる札入れをセットにしたタイプでした。

それと時期を同じくして鹿革の革質がますます安定しなくなり、しっかり肉厚の鹿革でしかつくれない形のためどんどんコストが高くなってしまい、ここ2年は販売を休止していました。

また、鹿革には銀面(革表面)が擦れに弱いという特徴があり、それも気になるところでした。

とはいえ再販の要望もあり、リニューアルして作りたいと考えていて昨年から具体的な構想を練り、やっと完成しました。

 

7年も過ぎると世の中で財布の役割が変化しているように思います。

2021年現在は、キャッスレス化がますます進みスマホでなんでもできるようになってきています。

これから数年後を予測すると、

現金を使う機会が減っていきそうだし、現金を持ち歩くことはなくなり札入れはいずれ不要になりそうな気配。

通帳はなくなり現金の出入金はカード1枚、銀行振込もクレジット機能もポイントカードもスマホで、

日常の財布にはICカードとカードが1~2枚、もしものための現金が少量あれば事足りそうです。

財布とスマホをセットで持ち歩くために小さいバッグでも良いのだけど、常にバッグを下げているのは少々邪魔になる。そんなときに、財布にもなってスマホも収まる小さいポシェットは便利です。

頻繁に財布を出し入れするような、例えば野外のイベントやマルシェでは特に重宝します。

 

そういうわけで、今回は内装も2パターンつくりました。

16cmファスナーを開けると、仕切り付きの深めリネン袋布のタイプ。

袋布中央に仕切りがついているので小銭やカードを入れたり、車のキーを入れたりもできます。

もうひとつは、ファスナーポケットの中に山羊革の財布機能(コインケース、カードケース、札入れ)がついたタイプ。

背面側に大きく開く深めのコインケース、反対側には5枚以上入るカードケース、その間に札(2つ折りで)やレシートを入れます。

以前の形は紐の取り外しができるようにとナスカンをつけていたけれど、実際に使っていて紐を外すことはほぼなく(紐をつけた状態でしか使わない)、それならば紐がしまえれば充分です。金具をなくすことで、見た目もずっとシンプルに。少し上品でクラシックな雰囲気になりました。

背面外側のポケットはスマホが入るサイズで、紐を収納することもできます。

(↑ケース付きスマホ7.5×15.5×1.5厚/cmを入れています。上限8×16/cmのスマホ+薄いケース付きまで入ります)

本体と同じ山羊革の細い丸編み紐の長さはオーダーしていただけます。(通常110cm=斜め掛けもできる長さ/上限120cm)

(紐は使用していくうちに少し伸びるので、はじめは短めに設定しています)

 

山羊革は表面に独特の美しいシボがあって、使っていくうちに艶やかに経年変化していきます。

牛革よりも少し柔らかくクタッとした風合いだけれど、鹿革とは違ってピンとした張りがある。

そして銀面(革表面)は擦れにも比較的強い。

デザインポイントの共革の縁取り(パイピング)は保形性も兼ねていて、

しっかりと形をだすために細い中芯を入れています。

コートやジャケットの下でも邪魔にならない大きさに、細い紐。

ICカードはポシェットのポケットにしまったままで、ピッと通せて改札の前後にバッグをさぐる必要なし。

結婚式や卒入学式などのあらたまった式典の席にもなじむ、服装を選ばない革製のシンプルなデザイン。

紐をしまえば小さなクラッチバッグにもなります。

外にステッチがなく金具が見えないのもポイントです。

外出時に貴重品やスマホはできるだけ身に着けていたいので、

ポケットのないワンピースのときにはポケットの代わりにも。

 

2デザイン(編み込んだようなパッチワークタイプ、シンプルなプレーンタイプ)

2パターン(内装のポケットがリネンの袋布のタイプ、ポケットの中に革の財布機能がついたタイプ)

2色展開(ブラック・ダークカーキ)

計8型

 

1/30(土)からのfripon-friponne「育てる手ざわり」で、サンプルをご覧いただけます。

(オーダーのみの受付、納期は3月上旬~末です)

只今、ウェブストアでも販売できるよう準備中。販売は2/20からです。

(在庫完売後は予約販売)

 

nuitomeru SOTRE

(2/10から商品ページをご覧いただけます)

 

・・・・・・・・・・・

【サイズ】 (単位:cm)

 縦14×横21.5 背面ポケットサイズ:幅17×深さ9

 紐の長さ:通常110(長さオーダー可/上限120cmまで追加料金なし)

【価格(税抜)】

山羊革お財布ポシェット・プレーン/袋布リネン 18,000円

山羊革お財布ポシェット・プレーン/袋布・財布 23,000円

山羊革お財布ポシェット・パッチワーク/袋布リネン 21,000円

山羊革お財布ポシェット・パッチワーク/袋布・財布 26,000円

【色】 ブラック/ダークカーキ

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オンラインストア・1月期間限定オープンのお知らせ

2021-1-7

明けましておめでとうございます。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

   

2021年 オンラインストア(クレジット決済可)、1月の販売日程のお知らせです。

オンラインストア・1月オープン日程

【1月16日(土)午前10時からご注文受付開始 ~ 1月24日(日)終日まで】

こちらよりご注文いただけます。

 ↓ ↓

nuitomeru STORE

・・・・・・・・・・・・

「ナイロン×牛革 トートバッグ Lサイズ」 ブラック・カーキ

PIGスエード「巾着バッグ S・MS・M・LS・Lサイズ」 ブラック・カーキ

PIGスエード「結ぶトート S・Lサイズ」 ブラック・カーキ

鹿革「巾着バッグ S・MS・M・LS・Lサイズ」 ブラック

鹿革「巾着ポシェット」 ブラック・ダークブラウン

山羊革「フラットトート S・Mサイズ」 ブラック

山羊革「フラットショルダー XS・S・Mサイズ」 ブラック・ダークカーキ

鹿革「押口財布」「押口キーケース」 ブラック

鹿革「DEER×DEER HORN・ZIP財布」 ブラック・ネイビー・ダークブラウン

   

こちらのオープン日にご注文いただいた商品は、ご用意でき次第に順次出荷いたします。(土日祝の出荷はできません)

お急ぎの場合や日時指定はご注文時にその旨お知らせください。可能な限り対応をさせていただきます。

各商品限定数にての販売になります。

オンラインストアは完売次第に終了となりますが、このホームページの商品ページからは常時ご注文いただけます。商品ページにない商品はメールにて、可能な場合はオーダーをお受けいたしますので随時ご相談ください。

また、ストアの商品で、お支払い方法に銀行振込・代金引換をご希望のかたは、ストアにてご注文をいただく前にお知らせください。メールにてご注文の対応をさせていただきます。(在庫がなくなり次第、予約注文になります)

また、ロープの長さ等のカスタマイズについては期間限定ストアでは現在お受けできませんので、このホームページ内の商品ページよりご注文ください。

ご不明な点やご要望がございましたらお気軽にお問合せくださいませ。

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2020年が終わります

2020-12-31

学校の冬休みが始まってすぐの休日、散歩中に見つけた「クラウンシャイネス」がマイブーム。

クラウンシャイネスというのは、重なり合わずに空間を分け合って成長した木々の樹冠により空が割れたように見える現象のこと。熱帯地方ではよく見られるけれど日本では珍しいそうです。(ググってみると、意外に日本のあちこちで見られるみたいです)

複数の樹木が同時に成長したときにのみ起こり、日光を届かせるためお互いの葉が重ならないように成長して、ほどよい間隔を保ちながらお互いの健康を守ろうとしているのです。そして、この仕組みについてはまだはっきりと解明されていないのだそうです。

これが見られるのは、近所の茶臼山公園。

古墳時代の前方後円墳のうえに作られた公園で、歴史的な場所だけど近所すぎて普段は気に留めていません。

長男と最近部活の友達の間でブーム(遅!)だというポケモンを探しついでに散歩中、いつもは行かない神社のほうを歩いて見上げたら知っているのと違う木々の様子に目を奪われたという夫に連れられて、

翌日に見せられた20~30mほども上空のその荘厳な光景は、これまで見たことのない「空のみち」でした。

なんでもないところから何かを見つける観察眼、大切にしたいなぁと思います。

因みにこの茶臼山古墳は、壬申の乱で敗れた大友皇子が自害したあとに葬られたといわれる塚(のひとつ・日本各地に墓地の諸説あり)で、葬り塚として5体が祀られています。

塚や周辺から伸びた木々がその現象を作っていて、なんとも不思議でした。

4~5世紀ごろの古墳なので、1500年以上昔からある山なんでしょう。

そこかしこに巨木が生えていて、苔むして赤や黄色の葉が積もる参道も厳かな空気につつまれています。

古い神社とそのまわりはきれいに管理されているので、公園ぐるり一周するのも良い運動になってほどよい散歩コースです。

ついでに、天智天皇、弘文天皇、天武天皇周辺の歴史については掘ってみると面白い考察がたくさんあり、

没頭しているとつい時間を忘れてしまいそうになります。

・・・そんなことをしているうちに、今年がもう終わってしまう。

2020年は大きく世界が変わってしまい、オロオロしているうちに終わった一年でした。

来年もきっと色々とあるんだろうなぁと思いながら、それでも毎日は続いていくので

年末年始は少し休んで、来年に向けて準備していきます。

(アツコ)

  

最後に、

今年もたくさんのかたに支えられ、一年を終えることができます。

有難うございました!

来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

  

     ヌイトメル  重森一祥 敦子

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