修理についての考えかた

2011-6-24

今日のブログ担当は、製作者である僕です。

今後の僕たちの取り組みのひとつ、「修理の考え方」について書きます。

先日、鞄の修理依頼がありました。
ヌイトメルでは、基本的には他社製品の修理はお受けしません。
他社製品の修理までを受けてしまうと、本来の仕事がその間どうしても脇にそれてしまうからです。
ですが、今回はどうしてもということでしたし、また修理について考える良い機会でもありましたので、お受けしました。

これまでも修理の依頼は何度かあり、状態を見て町の修理屋さんで治せる程度であればそちらのお店を紹介していました。
けれども、持ち主のかたの思い入れが強く、どうしても直して使いたいあるいは、残しておきたい、というもので、なおかつ分解してパーツを作り直すことが必要で、町の修理屋さんでは断られてしまうようなものだけは、例外としてお受けしていました。中には修理費用がその購入代金に匹敵するような内容のものもありました。
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今回お電話をいただいた時、始めは簡単な修理で良いとのご依頼でした。
とても気に入っているニット鞄のハンドル(持ち手)部分がほつれてきて、ご自分で手縫いなどで手を尽くされたけれど、だんだんほつれが広がってきて、限界になってしまったため、持ち手を代用の物に付け変えて欲しいという内容でした。
けれども考察するに、おそらくこのお客様はふっくらとした手の当たりが良いと思ってこの鞄を使われているということが想像でき、またニット本体の部分で革の持ち手を付けても、力のかかる部分が破れてくることも考えられましたので、僕の判断で、持ち手のほつれた部分の上から革を巻く補強の修理法をご提案しました。

修理の依頼を受けてしまった場合、作業となれば他のものづくりと一緒で、使う人のことを想像して最善を尽くします。
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ふっくらとした形を残しつつ、ハンドルの手に当たる部分の補強をしますので、革は柔らかい羊(ラム)が適しています。
けれども柔らかいために、頻繁に使っていると裂けてくる可能性があります。

現に、ニットのハンドルは手に当たる部分がほつれてきています。
これは頻繁にこすれるため、糸が切れたのです。

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ですから、革の裏にテープを入れて縫い込み、革が破れないように補強しました。

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手に当たる部分で糸が切れることを避けるために、敢えて縫い目を上にもってきました。
ハンドメイド感が出て、デザインポイントにもなりました。
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今後、他社製品の修理はお受けすることはないと思いますが、気に入ったものは頻繁に使うことでほつれたり破れてしまったりと壊れやすいものです。

修理をして長く使うことは、良いことだと思います。
そのためにもご自分で正しくメンテナンスをされることをお勧めしますし、またその知識をお教えすることは、今後僕たちができることのひとつだと思いますので、お手入れや修理についてはブログで公開していこうと思っています。

また、不定期で修理・お手入れのワークショップも開催し、お手持ちの修理品をお持ちいただいて、工房でご自分で直していただくことも考えています。
値段に関係なく愛着のあるものは、修理をして長く使いたいですし、修理や手直しをすることで愛着を増すこともあります。
物は大切にしたいものですね。

クニヨシ

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