山羊革のバッグ

2015-1-18

新しく使う山羊革について、少し紹介したいと思います。

ヤギはアジアやアフリカなどで家畜として一般的に飼育されていて、山羊の皮からつくられるゴートスキン(仔山羊はキップスキン)は、主にインドやパキスタンで製造されています。

山羊革は独特な表面のシボが特徴の、適度に張りのある軽く柔らかい革です。
皮膚構造は成牛革よりも薄く仔牛革(カーフ)に近いけれど、皮膚表面側の層に見られる弾性繊維(コラーゲン・エラスチン線維=皮膚を構成するたんぱく質の一種)が、特に表面に対して水平に密に交絡していることから、銀面(革表面)が強いという特徴があります。
また皮膚下層の線維束にはエラスチン繊維が多いうえに交絡が成牛革に比べて少なく、革の製造工程で細かい線維に解けるため、強靭で適度に張りがあり、柔軟かつ軽量という山羊革の特徴が生み出されます。
薄く軽いうえに銀面が強く磨耗しにくいため、本の装丁や衣料、手袋など、幅広く利用されています。

インドはかつてイギリスの植民地だったこともあり、革のなめし技術がイギリスから伝えられたそうで、
今回使い始めた、インドが原産のタンニンなめしゴートレザー(ゴートのヌメ革)の質を見ると、
その技術の高さを伺い知ることができます。

そんな山羊革の特徴を活かして、大きなトートバッグに使いました。

大きいトートの製作話についてはこちらで → 

柔らかいけれどハリもあるので、型崩れがしにくいという特徴も。

ハンドルは共革で、ハンドステッチで縫い留めています。

黒、チャコールグレー、上画像のカーキブラウンの3色で、
大きさや形、ディティールを変えて数種類、2月のList:さんの展示会で初お目見えします。
画像のバッグは一番大きいタイプで、経年変化を紹介するために、今使っているところです。

山羊革はこれから定番で使っていこうと思っています。
見た目の雰囲気は鹿革と近いですが、鹿革とは特徴や性質が違います。
詳しくはまた改めて紹介します。

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